
ボタニカルいろいろ
近年よく耳にするボタニカル。「植物の」という意味合いで使われていますね。
例えば、美容関連アイテムでは”ボタニカル成分”や、”ボタニカルエキス”、ファッションにおいては”ボタニカル柄”などといったように、草花などの植物をそのハーブとしての風味、効能、形状など、様々な特徴で捉えて表現方法として使われています。
お酒の世界でもボタニカルはとても大きな役割を果たしており、ジンをはじめとしたスピリッツ、あるいはワインなどの醸造酒、そしてリキュールの香り付けとして無くてはならないものとなっています。
ここではそのお酒に使用されている代表的なボタニカルを紹介したいと思います。
アニス – Anise
科:セリ科
種にように見える果実部分。アネトールと呼ばれる強い爽やかで甘みのある香りが特徴的です。
ペルノーやリカールといったアニス酒系リキュールの主香料。
アンゼリカ – Angelica
科:セリ科
根部分を主に使われることが多く香りが強く、杜松の実の香りによく似てます。
ジンをはじめ、”シャルトリューズ”など薬草系リキュールに使用されています。
エルダーフラワー – Elderflower
科:スイカズラ科
アニス系の香り漂う真っ白な花が特徴。シロップやハーブティとしても親しまれている。
イタリアを代表する”サンブーカ”はエルダーを基調にしたリキュール。

アンゼリカの根
オリス – Orris
科:アヤメ科
”においしょうぶ”としても知られており、花の香りを思わせる強い香りを持つ。オリリスなどとも言われる。
ジンや様々なリキュールの香りづけの副材料として欠かせないボタニカル。
カルダモン – Cardamom
科:ショウガ科
清涼感のある香りに辛味も含み、カレーのスパイスとしても欠かせない。
ジンの香りづけのアクセントととしてや、カルダモンビターズはカクテルの隠し味として重宝されています。
コリアンダー – Coriander
科:セリ科
レモンに似た柑橘系の爽やかで甘い香り。パクチーは葉の部分ですが、その種子部分を指します。
カンパリやイエガーマイスターといった薬草系リキュールには欠かせないボタニカルです。

コリアンダーの実とパクチー
シナモン – Cinnammon
科:クスノキ科
木の樹皮を乾燥させて作られ、強い甘い香りを放ちます。コーヒー、洋菓子の香りづけとしてあまりにも有名。
シナモンリキュールはもちろん、ジンにもよく使用されます。
ジュニパーベリー – Juniper berry
科:ヒノキ科
松ヤニの強い香りを放つ実。ジンの主香料、肉料理などの香辛料として欠かせない。
ジンには必ず使用されるボタニカルとして有名。
スターアニス – Star anise
科:モクレン科
アネトールと呼ばれる強い爽やかで甘みのある香りが特徴的。
水で割ると黄色く濁るペルノーが有名。
リコリス – Licorice
科:マメ科
甘い香りと味が特徴で、天然の甘味料としても重宝されるほど。
日本では馴染みがないですが、”パスティス”と呼ばれるフランスのリキュールが有名。

カルダモン、スターアニス、シナモン