和歌山県の地産素材を使用した和製クラフトジンを造る「富士白蒸留所」

和歌山と言えば木の国と言われるほど豊かな森林で溢れていたり、果物の栽培が盛んなことで有名ですね。そんな和歌山県の地産素材をボタニカルとして使用した和製クラフトジンを造っているのが「富士白蒸留所」です。
富士白蒸留所は「和歌山を蒸留する」のコンセプトどおり、自然豊かな和歌山の土地の素材を用いたスピリッツを製造しています。その中の一つであるクラフトジン「槙-KOZUE-」も、ジュニパーベリーに加え、空海さんで有名な真言宗の総本山”高野山”に多く生えるというコウヤマキの香りを取り入れ、さらに温州みかん皮、レモン皮、山椒といった和歌山産の素材を活用し、2018年にはリヨン・インターナショナルコンクールのスピリッツ部門で金賞を受賞するほどの評価を高めています。


実物のコウヤマキの香りを嗅がせていただくと、深緑をイメージするような非常にホッコリする優しい香りでした。見た目はジュニパーベリーの葉にも似た針葉樹だと思いましたが、やはり共通するところがあるようで、「a-ピネン」という同じ香りの成分が入っていて相性もピッタリなようです。ジンのお味の方はと言うと、その緑の優しい香りに加え柑橘系の爽やかさも広がるキレのある味わいでした。

さらに同蒸留所は新たなクラフトジン「香立-KODACHI-」を発売する予定とのことで、もちろんこちらも和歌山県の地産素材を使用。世界遺産「熊野古道」の森林を思い起こさせるような、紀州スギ、紀州ヒノキの香りを取り入れた逸品で、運よくこちらも試飲させていただくと、心地良い樹木の香りが広がりどこか懐かしさすら感じました。2019年内には発売されるとのことで非常に楽しみですね。
和歌山県の素材、風味、そして蒸留所のコンセプトといった、いくつかの要素から伝わってくるのは”日本らしさ”だと感じました。「これぞ和歌山」「これぞ日本」と感じさせてくれる、まさに和製クラフトジンだと思います。